空が見える 左右が切り取られた細長い空
左の肩と腰を地面につけ横たわり
左右の腕は中指を空からつられているように天に向かって伸びている
左右の膝はくっつき抱え込むように左に折りたたまれている
それ以上の空間はない
身動きがとれないようだ
壁と壁の隙間は幅40cm
壁の高さは1m
体は隙間に挟まれて横たわっている
足元の左側にだけ、折りたたまれている足を横たえる空間がある
右側の壁の向こうから人の声が聞こえる
つまり背中のほうからということになる
誰か覗き込もうとしているようだ
声が途絶え 右側の壁の縁に指先が見えた
その指先はゆっくりと中に伸びてくる
空からつられた指先に触れそうで触れない
やがてその指は引っ込められた
触れてほしくはなかったので良かった
左の壁の向こうは階段のようだ
素敵なドレスを着て髪をアップにした女性が
階段を上がり近づいてくる
最上階までくると覗き込まずに
体の向きを変え もと来た階段をゆっくりと下りていく
左右が切り取られた細長い空が見える
どおしてかなぁ いつからここにいるんだっけ
—–やがて目が覚めた